spiceについて

【スパイスの種類】ドライスパイス編

こんにちは、マサキッチンブログです。

この記事では、スパイスの種類について詳しく解説していきます。

スパイスの辞典だと思って読んでくれたら嬉しいです。

ドライスパイス

ドライスパイスとは、乾燥スパイスです。

そのままの状態をホールスパイス(whole spice)、粉条にしたものをパウダースパイス(grounds spice)と呼びます。

ターメリック turmeric

学名curcuma longa
別名ウコン
科目ショウガ科ウコン属・多年生草本
原産熱帯アジア
部位根茎
風味鮮やかな黄色と土っぽい香り
効能肝機能障害、糖尿病、二日酔い

ターメリックとは、ウコンの根を茹でて乾燥させたもの。

ショウガの仲間でほのかにいい香りがします。

カレーを作るときの、香りの土台を作る重要な役割を持っています。

また、ターメリックに含まれるクルクミン成分が、がん予防にも注目されているそうですよ。

身近なところでいうと、たくあんの黄色はターメリックで色付けされています。

ターメリックを使ってイエローライスを炊きました⬇︎

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レッドチリ red chili

学名capsicum annuum
別名トウガラシ、カイエンペッパー
科目ナス科トウガラシ属・多年生草本
原産南アメリカ
部位果実
風味強く刺すような辛味と香味
効能食欲不振、胃弱、風邪、冷え性

パプリカと同じ香ばしい香りがあります。

南米では、クミンなどと合わせてチリパウダーというミックススパイスの原料となっています。

カレーを作るのにこの香りは欠かせません。

熱に強いため、加熱しても辛味は変わらないのが特徴。

カイエンは品種名ではなく、フランス領ギアナのカイエンヌという地名に由来されています。

日本でも流通している鷹の爪の辛さレベルは、カイエンペッパーとほぼ同じ。

プルドポークを撮影した際にチリパウダーを使用しています⬇︎

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コリアンダー coriander

学名coriandrum sativum L.
別名コエンドロ、シャンツァイ、パクチー
科目セリ科コエンドロ属・一年生草本
原産地中海地方
部位種、茎、葉、根
風味すっきりとして爽やかな香りで全体のバランスを整える
効能肝機能障害、風邪、胃弱、炎症暖和

ペッパーのように刺激的な花のような香りを持ち、甘い香りも漂うスパイスです。

他のスパイスと組み合わせた時にバランスをとる役割があり、「調和のスパイス」と呼ばれる事も。

コリアンダー多めの比率で加えると全体の風味のバランスが取れて食べやすいカレーができます。

よく流通しているコリアンダーはモロッコ産でブラウンコリアンダー、香りにも甘味のあるインド産をグリーンコリアンダーと呼んで区別することがあります。

スパイスカレーには必需品。

クミン cumin

学名cimunum cyminum
別名ジーラ(インド名)
科目セリ科クミン属・一年生草本
原産エジプト
部位
風味ツンと鼻を突く力強い香り
効能食欲不振、肝機能障害、胃弱、下痢

世界中のスパイス料理で多く使用されています。

香りのバランスがとりやすく、他のスパイスとミックスしなくても十分主役となれるくらい。

セリ科ならではのツンと香ばしい強い香りの奥にふくよかな香りが特徴です。

カレーの基本スパイスで、絶対に欠かせません。

クミンを使ったスパイスアレンジ料理も多数⬇︎

カルダモン cardamon

学名elettaria cardamomum
別名ショウズク
科目ショウガ科ショウズク属・多年生草本
原産インド、スリランカ、マレー半島
部位種(果実)
風味清々しいほどに爽やかな香り
効能下痢、頭痛、物忘れ、精力減退

サフラン、バニラに次いで高価なスパイスで、「スパイスの女王」と呼ばれています。

爽やかでありながらまろやかでフルーティーな甘い香りも持っています。

肉や魚の臭い消しに、カレーなどに主に登場します。

中近東ではカルダモンコーヒーに、インドではマサラティーに使われています。

北欧ではケーキやパンにも。

マサキッチンブログでは、チャイを作る際にカルダモンを使用しました⬇︎

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クローブ clove

学名syzygium aromaticum
別名チョウジ(丁子)
科目フトモモ科フトモモ属・常緑樹
原産インドネシア・モルッカ諸島、フィリピン南部
部位花(つぼみ)
風味甘くふくよかで奥深い香り
効能神経痛、関節炎、頭痛、胃弱、口臭

クローブもチョウジ(T字)も名前の由来は「釘」です。

粉状に挽くと少量でかなり強い香りが出やすいため、丸のままで使う方が風味のバランスは取りやすいです。

香りにはちょっとクセがあり、胃腸薬のようなイメージもありますが、インドでは全土で多用される重要なスパイスの一つ。

古来中国ではクローブを口に含んで口臭を消したと言われ、現在のインドではクローブを噛むと歯の痛みに効くとされています。

西洋では昔からオレンジの表面にビッシリ敷き詰めるようにしてタンスの芳香剤にしたそうです。

防腐と防虫の効果もあるとして人気のスパイス。

スパイスカレーにも多数登場します。

シナモン cinnamon

学名cinnamonum verum
別名ニッケイ(肉柱)、ニッキ、桂皮(けいひ)
科目クスノキ科ニッケイ属・常緑樹
原産スリランカ
部位樹皮
風味ほのかな甘みを感じる深い香り
効能風邪、不眠、ストレス、虚弱児

ふくよかで甘い香りに特徴があり、中東やインドでは、肉料理によく使われます。

カレーにはパウダーで使うことはほとんどなく、ホール状のものを油で炒めるケースがほとんどです。

煮込みの終わりまで香りを出し続けます。

シナモントーストやシナモンココア、「八つ橋」に代表される和菓子の原料になったりと、甘味を引き立てる役割も強いです。

スティック状のものは、木の一番外側の上質な樹皮を丸めて作られたもの。

シナモンスティックをそのまま使ってスパイスカレーを作りました⬇︎

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ローレル laurel

学名laurus nobilis
別名ベイリーフ、ローリエ
科目クスノキ科ゲッケイジュ属・常緑樹
原産ヨーロッパ、アジア西部
部位葉、実
風味スッとする繊細で清々しい香り
効能神経痛、関節炎、打ち身、ねんざ

インド料理における「ベイリーフ」は、月桂樹の葉ではなく、カシアの葉、またはシナモンの葉のことを指すため、「インディアンベイリーフ」とも呼ばれています。

ポトフやブイヤベースなど日本でもおなじみの料理に欠くことのできないスパイスです。

魚や肉の臭いを消し去る効果と香り付けが、重宝される理由です。

また、ナツメグのような刺激的な香りとほのかにバルサミコのようなふくよかな香りが特徴です。

生葉の状態は苦味や渋みがありますが、乾燥させることで香りが強まります。

煮込んで華麗にする場合には他のスパイスの香りに負けてしまいがち。

煮込みすぎると苦味が出ます。

ローレルを使ってガラムマサラのオリジナルブレンドに挑戦しました⬇︎

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マスタード mustard

学名brassica nigra(ブラック)、sinapis alba(ホワイト)
別名カラシ(辛子)
科目アブラナ科アブラナ属(ブラック)・一年生草本、アブラナ科シロガラシ属(ホワイト)
原産インド(ブラウン)、南ヨーロッパ(ブラック)
部位
風味ほのかな苦味と柔らかい辛味
効能食欲不振、胃弱、便秘、筋肉痛

練りがらし、練りマスタードの原料として有名です。

東洋のスパイスが紹介される前の中世ヨーロッパでは、マスタードだけは庶民が料理の味付けに使うほど浸透していたスパイスでした。

上記の写真はイエローマスタードです。

辛さと酸味はマイルドなので、辛いものが苦手な人や子供におすすめです。

ターメリックなどと混ぜて粒マスタードにしたり、ピクルスに使うのが一般的です。

マスタードシードを使ったスパイスカレーの動画はこちら⬇︎

フェンネル fennel

学名foeniculum vulgare
別名ウイキョウ、フヌイユ(フランス)、フィノッキオ(イタリア)
科目セリ科ウイキョウ属・多年生草本
原産地中海地方
部位葉、種
風味心地よく爽やかな甘い香り
効能高血圧、胃弱、腹痛、腰痛

アニスに似た甘さと、少しの苦味、さっぱり感があります。

インドのガラムマサラ、中国の五香粉、東インドのパンチフェロンなどの原料となっていて、バランスのいい香りを持っています。

魚介でも豆でも野菜でも、どんな料理にも使われていて、それほど食材の味わいを引き出す力も強いです。

主にチキンカレーやフィッシュカレーで活躍していますね。

ヨーロッパでは「フィッシュハーブ」と呼ばれるほど魚料理との相性がよく、特に魚の臭み消しや魚の油分のしつこさを適度に抑える役割があります。

イタリア料理に使われる根の太ったタイプは、「フローレンスフェンネル」と呼ばれています。 植物学者の研究により、視力回復の効果が見込まれるとされています。

フェンネルを使ってフィッシュカレーを作りました⬇︎

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フェヌグリーク fenugreek

学名trigonella foenum graecum
別名メティ、メッチ
科目マメ科フェヌグリーク属・一年生草本
原産中近東、アフリカ、インド
部位種、葉
風味ほのかな甘味と苦味が混在する風味
効能食欲不振、不眠、ストレス、精力減退

香りはまさにカレーです。

タンパク質やミネラル、ビタミンなどを多く含むとされ、ベジタリアンの栄養源ともなっています。

フレッシュ、もしくは乾燥した葉と乾燥した種の両方を使います。

古代エジプトでは、お香として利用され、死体に詰めてミイラにするのに用いられていたそうです。

一定量のパウダーを摂取し続けることによってダイエット効果も認められています。

用途は、カレー、サブジ、ピクルスなど。

ペッパー pepper

学名pipre nigrum
別名コショウ(胡椒)
科目コショウ科コショウ属・つる性草本
原産南インド・マラバール地方
部位果実
風味爽やかで深みのある刺激的な辛味
効能食欲不振、糖尿病、肥満、利尿作用

汎用的でメジャーで世界中で愛されているスパイス。

ブラックペッパーはカレー粉の主原料の一つ。

肉のカレーを美味しくしてくれます。

昔のヨーロッパでは、金と同じ価値で取引されるほどの商品でした。

サイズが大きいものほど良質とされています。

パプリカ paprika

学名capsicum annuum grossum
科目ナス科トウガラシ属・多年生草本
原産熱帯アメリカ
部位果実
風味微かな甘味とふくよかな香味
効能抗がん、抗酸化、動脈硬化

レッドチリと同種ですが、品種改良され、辛味のないチリとして定着しました。

チリパウダーと似た香ばしく深い味わいがあります。

パプリカパウダーはカレーを作るのに香りの点でも色味の点でも、大活躍します。

野菜として売られている黄色や赤のパプリカとは別物で、ほんのり甘く香り、赤の発色が美しいです。

サフラン saffron

学名crocus sativus
別名番紅花
科目アヤメ科クロッカス属・多年生草本
原産地中海海岸
部位めしべ
風味鮮やかな黄色の着色と芳しい香り
効能胃弱、月経異常、消化器官の疾患

世界で最も高価なスパイスで有名です。

フランス料理のブイヤベース、スペイン料理のパエリヤなどの香りと色味に使われます。

カレーの調理にサフランを使うという例はないそうです。

1万本分のめしべを手摘みしておよそ60g分にしかならないそう。

全て手作りのため、高価なのだとか。

香りと味は控えめで、苦くスパイシーなのが特徴です。

サフランを使ってサフランライスに挑戦しました⬇︎

スターアニス star anise

学名illicium verum
別名ハッカク(八角)
科目モクレン科シキミ属・常緑樹
原産中国南部、ベトナム
部位果実
風味少しクセのある奥深い香り
効能口臭予防、咳止め、リューマチ

熟したものは形が開き、八つ角を持つことから八角と呼ばれています。

また、外観が星形をしていてアニスシードに似た香りがあることから英語名として「スターアニス」と呼ばれています。

カレーに深みを出すアイテムです。

肉料理との相性がいいのと、コンソメや魚介スープに使われることもあります。

中国のミックススパイス、ウーシャンフェンには欠かせません。

昔から石鹸や線香の香料としても利用されています。

ハッカクを使ってチャーシュー作りにチャレンジしました⬇︎

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ナツメグ nutmeg

学名myristica fragrans
別名ニクズク
科目ニクズク科ニクズク属・常緑樹
原産東インド諸島、モルッカ諸島
部位種の核・実(ナツメグ)、仮種皮(メース)
風味ほのかに甘いエキゾチックな香り
効能胃腸炎、低血圧、食欲不振、ストレス

実の部分がナツメグです。

芳醇な香りとほんのりしたクセをもち、風味の強い肉料理などと相性がよく、奥深い風味を持ちます。

中東から北インドを中心にリッチな味わいの料理を作るときに活躍します。

一方でナツメグには幻覚作用もあると言われ、一度に大量に摂取すると体調を崩す可能性もあるので気をつけましょう。

肉の臭み消しになるため、ハンバーグの材料として有名です。 熱が加わると刺激的な香りは飛び、甘さが残るため菓子作りにも用いられます。

キャラウェイ caraway

学名carum carvi
別名ヒメウイキョウ
科目セリ科キャラウェイ属・二年生草本
原産西アジア、ヨーロッパ
部位
風味ほのかな苦味を含む爽快な香り
効能腹痛、気管支炎、口臭予防、興奮作用

種は鼻にツンとくるような刺激的な香りです。

クセのある香りが料理に入ると後を引く味わいを生む効果も。

同じセリ科のクミンやフェンネルと合わせて少量を加えるとカレーの香りに奥行きが出ます。

クミンと外観が似ているため、フランスでは「牧場のクミン」と呼ばれています。

ヨーロッパではザワークラウトやソーセージなどに使われています。

カレー、チャイ、菓子やパンに是非。

アジョワン ajwain

学名trachyspermum ammi
別名アジュワイン、カロム
科目セリ科トラキュースベリマム属・一年生草本
原産南インド、北アフリカ、北アジア
部位
風味タイムのような清々しい香り
効能防腐・殺菌作用、消化不良、下痢、喘息

エジプトが起源とされ、インド料理で人気のあるスパイスです。

刺激的な辛味と苦味、タイムにも似た清涼感のある香りが特徴です。

野菜の天ぷら、パコラの衣に入れたりも。

タイムやオレガノのような香りに特徴がありますが、使いすぎると苦味が出てしまうため、少量を効かせるのがオススメです。

まとめ

ドライスパイスについて詳しく解説しました。

まだまだここには載っていないドライスパイスが多数あります。

馴染みのあるスパイスの紹介でした。

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